ビジネス・キャリア検定は中央職業能力開発協会が運営するビジネスマンの試験だ。
営業や総務、経理などかなり広い範囲の試験となり会社から受講を求められたりすることもあるだろう。
今回は試験合格だけに焦点をあて、1か月で受かるためだけの方法の紹介だ。
まずは試験の概要は以下の通りだ。
ビジネス・キャリア検定を運営する協会の概要
主催:中央職業能力開発協会
職業能力開発促進法をもとに設立された団体となり、職業能力評価を行うための検定、協議会などを開催している協会だ。
■協会理念
キャリア形成、技能の振興、企業における人材育成の支援を通じて、豊かな勤労者生活の実現と活力ある経済社会の発展に貢献するとともに、国の職業能力開発施策の発展に寄与します。
■協会役員
中央職業能力開発協会役員名簿には大企業や産業協会が役員として名を連ねている。
産業界を挙げて労働者の
(1)大企業
IHI、トヨタ自動車、日産自動車、東芝、日立製作所、三菱電機、日本製鉄、パナソニック
(2)色々な業界
全全国中小企業団体中央会、日本商工会議所、電機・電子・情報通信産業経営者連盟、日本鉄道車輌工業会、日本自動車工業会、日本鉄鋼連盟、日本工作機械工業会、日本造船工業会、日本産業機械工業会、全日本プラスチック製品工業連合会、日本グラフィックコミュニケーションズ工業組合連合会、全日本印刷工業組合連合会、日本左官業組合連合会、全国建設業協会、日本建設業連合会
収支報告
協会の収支報告を見てみると2019年度予算では
収入:38億円
<内訳>
会費:0.4億円、補助金:4.7億円、職業訓練振興事業収入:2.2億円、職業能力検定等事業収入:11億円、図書出版事業収入:0.5億円、各種技能競技大会等の推進事業:13億円、教育訓練講座受講環境整備事業:1.2億円、若年技能者人材育成支援等事業:4.6億円
様々な検定の受験料は「職業能力検定等事業収入」は11億円の収入が見込まれている。
1回の受験料を6,000円とすると単純計算で「183,333回」となる。
のべ18万人の人が受けているという大雑把な試算だ。
支出:38億円
<内訳>
人件費:6.8億円、一般業務運営費:2.6億円、職業訓練振興事業費:2.2、職業能力検定等事業費:7.2、図書出版事業費:0.3億円、各種技能競技大会等の推進事業:13億円、教育訓練講座受講環境整備事業:1.2億円、若年技能者人材育成支援等事業:4.6億円
さて、概要を確認したところで今度は検定について記載をしよう。
ビジネス・キャリア検定の概要
目的 | 職務を遂行する上で必要となる知識の習得と実務能力の評価を行うことを目的とした試験 |
試験月 | 10月、2月 ※半年毎ではないので注意 |
合格基準 | おおよそ60%以上 |
試験分野 | 人事・人材開発・労務管理/経理・財務管理/ 営業・マーケティング/生産管理/ 企業法務・総務/ロジスティクス/経営情報システム/ 経営戦略 |
等級 | 1、2、3級、BASIC級(生産管理/ロジスティクスの2分野) |
試験料金 | 1級:11,000円、2級:7,700円、3級:6,200円、BASIC級:3,300円 |
等級のイメージ
2019年の試験は以下の通り。
受験時期によって異なる可能性があるので、最新の受講日のスケジュールを見てほしい。
試 験 当 日 の 実 施 時 間 帯 | ||||
---|---|---|---|---|
午前(11:00~13:30) | 午前(11:00~12:50) | 午後(14:30~16:20) | ||
1 級 | 2 級 | 3 級 | 2 級 | 3 級 |
1級人事・人材開発・労務管理 | 2級人事・人材開発 | 3級労務管理 | 2級労務管理 | 3級人事・人材開発 |
1級経理・財務管理 | 2級経理 | 3級経理(原価計算) | 2級財務管理(財務管理・管理会計) | 3級経理 (簿記・財務諸表) |
1級営業・マーケティング | 2級営業 | 3級財務管理 | 2級マーケティング | 3級営業 |
1級生産管理 | 2級生産管理オペレーション (作業・工程・設備管理) | 3級マーケティング | 2級生産管理プランニング (製品企画・設計管理) |
3級生産管理プランニング |
1級ロジスティクス | 2級生産管理オペレーション (購買・物流・在庫管理) | 3級生産管理オペレーション | 2級生産管理プランニング (生産システム・生産計画) (加工型・組立型) |
3級企業法務 |
1級経営情報システム | 2級企業法務(取引法務) | 3級総務 | 2級生産管理プランニング (生産システム・生産計画) (プロセス型) |
3級ロジスティクス管理 |
1級経営戦略 | 2級ロジスティクス管理 | 3級ロジスティクス・オペレーション | 2級企業法務(組織法務) | 3級経営戦略 |
2級経営情報システム(情報化企画) | 3級経営情報システム | 2級総務 | ||
2級経営戦略 | 2級ロジスティクス・オペレーション | |||
2級経営情報システム(情報化活用) |
1級は午前中の試験だ。
2、3級は午前、午後に分かれているため、複数の受験が可能だ。
例えば午後前半に「3級 労務管理」を受講し、午後後半に「2級 労務管理」を受けるなどすることができる。
また、同じ2級をめざすのであれば午後前半に「2級 営業」を受講し、午後後半に「2級 マーケティング」なども受講が可能だ。
ビジネス・キャリア検定の合格率
まず、2、3級の試験はマークシートとなり、合格基準は60%(24問/40問)と公表されている。
ただし、受験の回によっては難しい試験の回もあり、その際には合格基準が55%(22問/40問)で基準が下がることもある。
受験をする回にもよって異なるが、傾向からだいたい以下の合格率だ。
1級:10~20%ぐらい
2級:40~60%ぐらい
3級:60~70%ぐらい
1級は受験者も少なく、全国で2名受験で2名合格で合格率が100%ということもあるので、かなり乱高下をする。
2、3級は受験者数も100名を超えているので、おおよそその範囲に収まっている。
ビジネス・キャリア検定 2級、3級の試験対策
1級は論文など筆記試験となるので、ちゃんと勉強をしないと合格は難しい。
2級、3級はマークシートのみでの試験だ。
試験時間:110分
問題数:40問
2級:5肢択一
3級:4肢択一
1か月で合格をするためには、教科書を全て読んでいる時間などはない。
これから紹介するのは試験合格を課せられたサラリーマンのために試験合格のみを目的とした合格するための方法論の紹介だ。
知識を深め業務に生かすための能力アップについては考えていない。
能力を上げたい人は、試験に合格してからでもゆっくり勉強をしてもらえればと思う。
さて、最短の試験合格方法は過去問を繰り返し行う方法だ。
教科書などは読まなくて良い。(合格後に読んで)
試験問題はだいたい4割ぐらいは過去問から出題をされているのが令和最初の試験を受験した感想だ。
40問中22問が合格ラインなので、そのうち16問ぐらいは過去問から出る。
残り24問中に6問(たった25%)正解をすれば合格だ。
過去問は試験を行っている中央職業能力開発協会から発売をされており、2級、3級それぞれ100問が掲載されている。
その100問を3回ぐらい繰り返せば、問題とそれにつながる回答の記号(ア~オ)まで覚えてしまうだろう。
また、過去問以外の残りの24問についてもおおよそ問題傾向は過去の問題例に非常に似ている。
なんとなくここを質問したいんだろうな、ここがポイントだなというのが問題、回答についてわかってくる。
そうすれば新しく見る問題も回答がすんなりとわかる。
そこまでくれば1か月で高得点も可能だ。
実際に1か月、過去問だけの勉強で8割超を取ることができた。
中央職業能力開発協会も過去問、回答記号のみは3年分ぐらいは掲載されているけれども、回答の説明がないので理解が難しい。
そのため、公式な過去問題集で勉強をして、さっさと試験合格をしてしまおう。
さて、順番を考えて 3級合格 → 2級合格 という考えを持つ人もいるだろう。
しかし、過去問を繰り返し勉強すれば 2級合格 は必ずできる。
そのため、3級試験の6,200円の受験料を考えると実にもったいない。
一発で2級合格に挑戦をしよう。
人事・人材開発の過去問
人事・人材開発 2・3級 (ビジネス・キャリア®検定試験 過去問題集(解説付き))
財務管理の過去問
財務管理 2・3級 (ビジネス・キャリア®検定試験 過去問題集(解説付き))
企業法務の過去問
企業法務 2・3級 (ビジネス・キャリア®検定試験 過去問題集(解説付き))
総務の過去問
総務 2・3級 (ビジネス・キャリア®検定試験 過去問題集(解説付き))
労務管理オペレーションの過去問
労務管理 2・3級 (ビジネス・キャリア®検定試験 過去問題集(解説付き))
生産管理オペレーションの過去問
生産管理オペレーション(2級) (ビジネス・キャリア®検定試験 過去問題集(解説付き))
マーケティングの過去問
マーケティング2・3級 (ビジネス・キャリア®検定試験 過去問題集(解説付き))
営業の過去問
営業2・3級 (ビジネス・キャリア®検定試験 過去問題集(解説付き))
最後にケアレスミスをしないようにしよう。
「適切なもの」「不適切なもの」を選択させるため、勘違いをしないようにすることも重要だ。
そのため、問題文をよみながら「適切なもの」とあれば〇をつける、「不適切なもの」とあれば✖をつけるなど、あとで見直してもわかるように印をつけるのもポイントだ。
また、3級を受けるのはもったいないと思う。
上記のように過去問をしっかり勉強すれば、十分に2級の合格はできると思うので、3級→2級と順番をおって試験合格をする必要性はないんじゃないかな。
あとは110分を集中して問題を解くため、集中力の維持も必要だ。
そんな時のために、試験前にはユンケルなどの栄養ドリンクを必ず持っていき、試験が始まる前に飲もう。
でも、過去問をしっかりやれば30分ぐらいで試験がとけると思うので、さっさと試験会場を後にすることができる。
以上が試験合格までの最短手段だ。